FAKE‐LAKE
 錆び付いた時計の針を動かしてくれた彼を、大切な感情を取り戻させてくれたレイを俺はどうしたら救える?
 博士の手に渡してしまった間違いを、どうすれば償える?
 シアナは自分の両手を見つめた。
 確かにこの手は無力かもしれない。
 力及ばず、また一つの命を見送る事になるかもしれない。
 そうだとしても――
 シアナは胸ポケットに忍ばせたカード型のキーの有無を確認した。
 出来る限りを、全力を尽くそう。助けられる可能性が一パーセントでもあるのなら。

 シアナはずぶ濡れのまま、泥の中から立ち上がった。
 ――レイを、助ける。
 その決意を実行に移すために。
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