FAKE‐LAKE
◇ ◇ ◇
規則正しい機械音。あたたかい部屋、柔らかい布。
眠りから覚めたレイが目を開けると、病室のような白い天井が見えた。
きょろ、と周りを見回す。
左横に何かの機械が、右側に何かの液体が入った袋を下げたキャスターがある。その袋から出ている管の先は、レイの右腕に繋がっていた。
一体僕はどうしたんだろう? もう実験が始まっているんだろうか。それにしては体が楽になった気がする。
レイは首を起こしてみた。両手両足はベッドの手摺りに繋がれているが、長めの鎖なので多少の自由はあるようだ。
傷だらけだった体には丁寧に包帯が巻かれ、血で汚れたボロボロの服ではなく白い寝間着のような物を着せられている。
不思議に思ったレイは記憶を辿った。
青い瞳のお兄さんが来たのは多分一昨日。お父さんみたいにあったかい人で、優しくしてくれた。
でも、昨日はお兄さんも兵も来なかった。もちろん博士も。
そのかわり、見たことのないおじさん――お兄さんかも知れない――が食事を持って来て、食べさせてくれた。ほとんど喉を通らなかったけれど。
それから、お兄さんは動けない僕を抱き上げて――ああそうだ、ここに連れて来たんだ。
実験が始まるんだと思ったけど博士はどこにも居なくて、お兄さんが僕の腕に何か刺して、そのうち眠くなって。
僕はどれくらい眠っていたんだろう?
レイは起き上がろうとしたが、体中が痛んで力が入らなかった。元通り横になり、ゆっくり深呼吸する。