FAKE‐LAKE
「嫌だ! 基地に戻ったらまた飼い犬みたいに鎖に繋いで、変な薬飲ませて、体ばらばらになるまで実験して使えなくなったら殺すんだろ?」

叫ぶレイに博士は冷たい口調で答える。

「だからどうだと言うんだ? それが道具の役目だろう?」

駄目だ、この男は何を言ってもわかってくれない。

もがき続けるレイを見て博士は薄く笑った。

「随分口が達者になったようだな。最低限の言葉しか教えなかったのに、誰に教わったんだ」

そのわざとらしい問いに、レイはアンジェの事を思い出す。

「早く、薬をよこせよ! アンジェが死んじゃう!」

「お前の身柄と引き換えだ」

「そんな」

レイのあごを軽く持ち上げ、博士は小声で脅す。

「いいのか? お前のせいでアンジェが死んでも」

その言葉を聞いて凍り付いたレイの表情を満足気に眺め、博士は楽しそうに笑った。

「どうする、レイ? アンジェを助けられるのはお前だけだ」


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