FAKE‐LAKE
ピシ、と音がしてガラスに亀裂が入る。微かに青く光る両手を見てレイは自分で驚いた。
レイの手を中心にどんどん広がっていく亀裂に青白い光が走り、一瞬全体が光に包まれたように見えて。
ついに大きな音を立ててガラスは弾け飛び、粉々に砕け散った。
舞い散る砂粒のようなガラスから顔を守る。音が消え、レイはゆっくり起き上がった。
床に細かいガラス粒が散乱している。まるでキラキラ光る宝石みたいだ。
レイは足元に残っているガラス面に触れてみた。ただ触れただけでは亀裂も入らず、割れる事もなかった。
「……何をしている」
突然、低い声がしてレイは縮み上がった。全然気付かなかった。いつ入って来たんだ。
恐る恐る振り向くと、扉の前に博士が立っていた。鋭い眼差しと目が合う。力を使ったのを見られてしまった。
ごくり、とレイは息を飲む。
足早に近づいてきた博士は乱暴にレイの胸倉を掴んで問い詰めた。
「今、何をした? お前は自分の力を知っていたのか」
レイは黙って顔を背けた。この男に答える必要はない。
しかしその沈黙はかえって肯定の返事になっていた。博士は低く笑う。
「そうか。知っていたなら好都合だ」
博士はレイを引きずり下ろし、違うガラスに触れさせる。
「ほら、割ってみろ。さっきのように」
じっと俯いたままレイは力を使わない。それは博士の知りたい事の十分な答えになっていた。
「コントロール出来るんだな」
博士はニヤリと笑う。黙っているレイを引きずってどこかに連れて行こうとした。
「や、何する離せ!」
逃げようともがいたレイは体全体に激痛を感じた。体力がある程度戻ったとはいえ、虐待されて受けた傷が治った訳ではないのだ。
レイの手を中心にどんどん広がっていく亀裂に青白い光が走り、一瞬全体が光に包まれたように見えて。
ついに大きな音を立ててガラスは弾け飛び、粉々に砕け散った。
舞い散る砂粒のようなガラスから顔を守る。音が消え、レイはゆっくり起き上がった。
床に細かいガラス粒が散乱している。まるでキラキラ光る宝石みたいだ。
レイは足元に残っているガラス面に触れてみた。ただ触れただけでは亀裂も入らず、割れる事もなかった。
「……何をしている」
突然、低い声がしてレイは縮み上がった。全然気付かなかった。いつ入って来たんだ。
恐る恐る振り向くと、扉の前に博士が立っていた。鋭い眼差しと目が合う。力を使ったのを見られてしまった。
ごくり、とレイは息を飲む。
足早に近づいてきた博士は乱暴にレイの胸倉を掴んで問い詰めた。
「今、何をした? お前は自分の力を知っていたのか」
レイは黙って顔を背けた。この男に答える必要はない。
しかしその沈黙はかえって肯定の返事になっていた。博士は低く笑う。
「そうか。知っていたなら好都合だ」
博士はレイを引きずり下ろし、違うガラスに触れさせる。
「ほら、割ってみろ。さっきのように」
じっと俯いたままレイは力を使わない。それは博士の知りたい事の十分な答えになっていた。
「コントロール出来るんだな」
博士はニヤリと笑う。黙っているレイを引きずってどこかに連れて行こうとした。
「や、何する離せ!」
逃げようともがいたレイは体全体に激痛を感じた。体力がある程度戻ったとはいえ、虐待されて受けた傷が治った訳ではないのだ。