FAKE‐LAKE
「泥棒やめろってしつこく言ってたのはどこの誰だよ」

アツキに言われセティは床に目を落とした。

「それに、俺もう二度と盗みはしないってリーナに約束した。約束破るような事はしたくない」

アツキの気持ちは分かる。でも、すべてを一度で解決する良い方法が他に思い付かない。

セティはアツキに深く頭を下げた。初めて見る光景にアツキは唖然としている。

「頼む。アツキにしか頼めないんだ」

「そんな事言われても、俺はもうあれには触らない事にしたんだ。無理だよ」

アツキがきっぱりと断ると、セティは立ち上がって服の散乱した床に膝をついた。

「ちょ、セティ、一体何の真似だよ」

「頼む。この通り」

土下座するセティにアツキは戸惑う。

人を小ばかにする事はあっても頭を下げる事はないと思えたセティが、何故ここまでするのか。

「せめて……話だけでも聞いてくれないか」



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