FAKE‐LAKE
「博士、お客様が」

ドアが開き、家政婦のクリスがひょこ、と顔を覗かせた。

焦げ茶色の短い髪をスカーフで覆い、緑色のピンで止めている。博士からすると娘くらいの歳だろう。

スカーフと同じクリーム色のエプロンの横に布がかけてある所からすると、掃除中ならしい。

「客?」

怪訝そうに博士は尋ねる。ここを訪れる客などいないはずだ。

「はい。今監視人と一緒に玄関で待っています」

「また反政府の奴らか」

「いえ、違います」

クリスは顔の前でひらひらと手を振った。

「どうしても博士に会いたくてやって来た少年です」


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