FAKE‐LAKE
「じゃ、元気でねマスター」

手を振って歩きだすアルに、マスターはどうしても知りたくてもう一度あの質問を投げかけた。

「なぁ、最後に教えてくれよ。アルはどこの国から来たんだ?」

「しつこいなぁ」

アルはくるりと振り返った。マスターを見上げ、内緒だよ、と囁く。

「“フェイク・レイク”。もうどこにも存在していない国さ」




「あ、アルお帰りー」

アルが戻るなり、お世話になっている宿屋の子ども達が駆け寄ってきた。

「アルが帰ってくるまで寝ないで待ってたんだよ」

口々に言う子ども達の頭を撫でてアルは嬉しそうに笑う。

「明日何時にここ出るの?」

「朝八時くらいに」

「じゃ、アルのお見送りしてからスクールに行こう」

子ども達に囲まれているアルを、宿の経営者の夫婦は笑顔で見ていた。


< 461 / 546 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop