FAKE‐LAKE
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蝶番が軋む耳障りな音が、狭い空間に冷たく響く。

あぁ、また朝がきたんだ。心が暗闇に沈んでいく。

鉄格子に鍵がぶつかる金属音が聞こえ、牢の隅にうずくまっているレイの方へいかつい足音が近づいてきた。いつもと同じだ。大柄で力の強い男が三人。

「おい、立て」

Fの刺青が施された細い腕を乱暴に掴み、男の一人がレイを無理矢理立ち上がらせた。嫌がってもがく少年の頬を、男達は躊躇い無く殴る。

「暴れるな」

男の一人がレイの目を黒い布で覆った。布を噛ませて口を塞ぐ。両手を繋いでいる鎖を外し、後ろ手に縛る。

「よし、外せ」

一通りの手順を終えると、二人の男がレイの両脇を抱え、もう一人が足枷を外した。

「連れていけ」

ああ、また苦しい一日が始まるんだ。

長い廊下を引き摺られながら、レイは呻いた。


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