FAKE‐LAKE
「……これ」
どうしたの、と問うリーナの真っすぐな瞳からアツキは目を逸らした。目の端に、さらりと揺れる栗色の髪が映る。
その色に、ふとセティの事を思い出した。綺麗事を言うなと吐き捨てた時の、悲しげな表情。
怪我の理由を話さずに黙っていると、リーナはそれ以上尋ねる事はせず、左手のタオルをゆっくり解き始めた。
「痛む?」
アツキの顔が歪むのを見てリーナは心配そうに尋ねる。血は止まっているもののきちんと手当てをしなかったため、腫れて熱を持っていた。リーナの前だから我慢しているけれど、本当はかなり痛い。
「眠れなかった」
リーナは戸棚から救急箱を取り出し、ベッドに腰掛けているアツキの隣に座った。慣れた手つきで必要な薬を取り出し、手当てを始める。
「痛むけど我慢してね」
リーナは消毒薬を含ませたコットンで傷口を丁寧に洗った。初めは飛び上がる程痛かった消毒も、何度か洗われているうちに少しずつ楽になっていく。
薬を塗り、包帯を巻いてくれているリーナをアツキはじっと見つめた。
いつもは上げている栗色の髪を、今日は下ろしている。薄手のニットはカチューシャと同じ水色。クリーム色のスカートにいつもと同じ白いエプロンをしている。
綺麗な長い髪からふわりと花の香りがした。確か、リーナが好きだと言っていた白い花。
「何?」
見つめられている事に気づいたリーナは、上目使いでアツキを見上げる。至近距離にある朱い唇に、思わず鼓動が大きくなった。
どうしたの、と問うリーナの真っすぐな瞳からアツキは目を逸らした。目の端に、さらりと揺れる栗色の髪が映る。
その色に、ふとセティの事を思い出した。綺麗事を言うなと吐き捨てた時の、悲しげな表情。
怪我の理由を話さずに黙っていると、リーナはそれ以上尋ねる事はせず、左手のタオルをゆっくり解き始めた。
「痛む?」
アツキの顔が歪むのを見てリーナは心配そうに尋ねる。血は止まっているもののきちんと手当てをしなかったため、腫れて熱を持っていた。リーナの前だから我慢しているけれど、本当はかなり痛い。
「眠れなかった」
リーナは戸棚から救急箱を取り出し、ベッドに腰掛けているアツキの隣に座った。慣れた手つきで必要な薬を取り出し、手当てを始める。
「痛むけど我慢してね」
リーナは消毒薬を含ませたコットンで傷口を丁寧に洗った。初めは飛び上がる程痛かった消毒も、何度か洗われているうちに少しずつ楽になっていく。
薬を塗り、包帯を巻いてくれているリーナをアツキはじっと見つめた。
いつもは上げている栗色の髪を、今日は下ろしている。薄手のニットはカチューシャと同じ水色。クリーム色のスカートにいつもと同じ白いエプロンをしている。
綺麗な長い髪からふわりと花の香りがした。確か、リーナが好きだと言っていた白い花。
「何?」
見つめられている事に気づいたリーナは、上目使いでアツキを見上げる。至近距離にある朱い唇に、思わず鼓動が大きくなった。