喫茶ノムラへいらっしゃい!
ここまではよかった、いつも通り完璧な取材ノートだった。

でも

「ちょっと、井上。これ、何?」

私のマシュマロチョコの感想の後に、こう書き加えられていた。

『マシュマロチョコは、光吏センパイみたいだと思う。中身は優しいのに、冷たいフリしてる。オレは、マシュマロにちゃんと気づいてるよ。』

「これ、どういう意味よ?」

いつも通りのノリで“冷たく”井上に聞いた。

「あっ、それは、えーっと…そのまんまの意味です。」

井上の顔がみるみるうちに赤くなる。

いまさら何赤くなってんの!?

私が、井上の気持ちに気づいてないとでも思ってんの!?

あー、やだ。

なんか、こっちまで恥ずかしくなってきた。

「まぁ、いいや。さっ、記事書くよ!」

そう言って、私は記事を書き始めた。
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