‐白雪姫と悪魔なアイツ‐
暫く写真を見つめたまま立ちすくんで
いたあたしは、ガチャッと音を立てて
開いたドアに体をビクッと跳ねさせた。
「ママお手製クッキー持ってきたよー」
陽気な声が聞こえて慌てて写真立てを
元に戻すと、小机の前に滑るように座
った。
香ばしい匂いが鼻を擽って、お腹が空
いていたことに気づく。
「美味しそうー」
並べられたクッキーを見つめながら、
そんなことを言うと、千代ちゃんは満
面な笑みで喜んでいた。
その瞬間、さっきの写真が頭を過ぎっ
て胸がキューッと締め付けられる。
千代ちゃんは大事な友達なのに、ダメ
だよ疑ったりしたら。
そんな疑うような気持ちをスッキリさ
せたくて、あたしは素直に聞いてみる
ことにした。
大丈夫。きっと否定してくれる。
この男の子が薫くんであっても、何か
ある筈。
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