‐白雪姫と悪魔なアイツ‐



 氷の入ったコップは水滴が付いていて
 ヒンヤリとあたしの体を冷やしてくれ
 る。



 オレンジジュースを一気に喉に流し込
 み嫌な汗を拭うと、千代ちゃんに視線
 を向けた。



 「千代ちゃんって、仲良い男の子とか
  いたりした??」



 探るように遠回しに聞いてみると、ク
 ッキーを頬張っていた千代ちゃんは大
 きな瞳を見開いて、ゴクンと喉を鳴ら
 した。



 今、本人は聞かれたくないであろう過
 去を、あたしだってイヤな過去がある
 のにも関わらずそれを聞きだそうとし
 ている。



 「んー、いたかな」



 ニコリと微笑んだ彼女を見て、ドクン
 と心臓が波打った。



 それって…、薫くんなの??



 自分の中で芽生えたどす黒い感情を早
 く消し去りたくて、あたしは静かに続
 けた。



.
< 72 / 90 >

この作品をシェア

pagetop