‐白雪姫と悪魔なアイツ‐
氷の入ったコップは水滴が付いていて
ヒンヤリとあたしの体を冷やしてくれ
る。
オレンジジュースを一気に喉に流し込
み嫌な汗を拭うと、千代ちゃんに視線
を向けた。
「千代ちゃんって、仲良い男の子とか
いたりした??」
探るように遠回しに聞いてみると、ク
ッキーを頬張っていた千代ちゃんは大
きな瞳を見開いて、ゴクンと喉を鳴ら
した。
今、本人は聞かれたくないであろう過
去を、あたしだってイヤな過去がある
のにも関わらずそれを聞きだそうとし
ている。
「んー、いたかな」
ニコリと微笑んだ彼女を見て、ドクン
と心臓が波打った。
それって…、薫くんなの??
自分の中で芽生えたどす黒い感情を早
く消し去りたくて、あたしは静かに続
けた。
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