音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~




――― 翌日。


ピーピピ、ピーピピ。


月曜日から金曜日までとセットしてある携帯のアラームが鳴った。


目覚めは…… わりといいかな。


昨日は具合が悪くてほとんどベットの中だった。 ゆっくりベットから抜け出し、冷たい床に足を着けた。


自室から出て、リビングに向かう。


「おはよ」


「まおちゃん、大丈夫?」


「んー、まだ少しダルイ気はするけど…… 大丈夫でしょ」


「んもー、いい加減なんだから」


あはは…… あたしはいい加減だよ。 それに、諦めとかも結構早い性格だと思う。


あたしの声を聞きつけたママがキッチンから顔を覗かせる。


「まお、起きて大丈夫なの? 一応、熱計っときなさい。 あと今日は一応学校は休みしなさい」


「えー、大丈夫だよ」


「もう1日くらい休んでおいた方がいいでしょ」


「はーい」


テスト前なのにな……。 まだテスト範囲終わってないのに。


あ、忘れない内に優ちゃんに休むってメールしなきゃ。




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