ラブ@メール
レンは私の手首を掴んでいる手とは反対の手で拳をつくり、力強く握った。
小刻みに震えるその手を、私は静かに見つめていた。
「……今さら何だよ。」
今までの怒鳴り声とは打って変わった弱々しいレンの声に、私は思わず視線を彼の顔へ移した。
今までに見たことがないくらい……
悲しい顔だった。
それ以上3人の間で会話が交わされることはなく、レンと私はハルをその場に残したまま、家の中へ入っていった。