恋 理~renri~
私の頭の頂点に顎を乗せて、フゥ…と呼吸を落ち着けている彼にドギマギして。
この年齢にもなって不慣れな状況に固まっていた時、首筋に落とされた口づけ。
静かな室内でヤケに響いたリップ音が、なおさら鼓動を早めて仕方ない・・・
「…真咲」
「ッ…、は、はい…」
またひとつ私を呼ぶ声韻が色気を放つから、思わず上擦ってしまった返事。
そんな残念な失態を軽く笑うと、肩から腕を外して彼の方へと向き直される。
恥ずかしいなんて中学生だとかパニックになりながら、遠慮がちに彼を見上げれば。
「フッ…、食事してからって思ったんだけど。
やっぱりムリだ…、今すぐ真咲を抱きたい」
「・・・っ」
扇情的な眼差しで外角ストレートを投げられた私は、彼のフェロモンに息を呑んだ。
「…ダメって言われても、この格好の真咲の願いは聞かないけど」
一瞬流れた静かな時間を壊すように、彼の視線が外れて胸元一点を捉えるから。
「…え、あー!…ンンッ…」
自身の服の乱れに気づいて叫ぼうとした口は、彼の口づけが降って来て抑えられた。
角度を変えて落とされるキスで瑞々しいリップ音が立つから、身体は一気に熱くなる。