恋 理~renri~


激しさの増すキスの狭間で、グッと捩じ込まれた舌の温度に緊張も解れてくから。



絡まり合う舌先の熱と大きな手で触れられる身体は、ビクッと反応が止まらない。


「んっ…、はぁ…、ンッ…」


引き寄せられている腰元が彼に主導権を握らせ、そのままベットへ沈められると。



この状況で既に息の上がっている私の上に跨って、熱い眼差しを向けて来る大和。



その瞳に捉えられるだけで、どんどん身体の中から熱を帯びていく感覚に襲われて。



触れるか触れないもどかしいキョリを詰めるようと、彼の首筋へ腕を回してしまう。



「はや、く…抱いて――」


高まってしまった熱を、上げるのも沈めてくれるのも、愛しい貴方だけだから。



「手加減出来そうにないな…」


「ふっ…、ンンッ――」


耳元で囁かれた甘い重低音の声を皮切りに、指先と口づけを一気に落とされて。



身体中を駆け巡るふわふわとした高揚感に襲われて、蕩けてしまいそうになる…。



「あぁ…、ん――!」


当然バージンでは無かった私なのに、大切だからと今日という日まで抱かなかった大和。



男の人は本能の赴くままにエッチ出来るって、恋愛マスター・泉がよく言ってるけど。



「…っ、ん…ッ」


だからこそ大和が真摯な姿勢でいてくれた事に、なおさら流れる涙が止まらない…。



最愛の人がいて、その人に抱かれる事がこんなに幸せで、尊いのだと教えてくれるから。



大人だからこそ我慢出来た…けれど、裏を返せば火がつくと止まらないね――




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