恋 理~renri~
素面なのか、それとも酔っ払いなのか・・・
こうして恋愛談義を始めて、饒舌になった泉の話は止まらない――
「結局ね・・・
アンタの浅過ぎる恋愛経験では、ピッタリのオトコに出会えてないだけなの!」
「悪かったわねぇ・・・
でも私だってね、浅いなりに色々経験してんのよ?
だからオトコに対して、願望も夢も何にも持てないの。
まして私の学歴だけでサーッと退くようなヤツらなんて、こっちから願い下げだし!」
泉の熱に絆されて、私の口調も高ぶってしまうのは致し方ないだろう。
男性ならばエリートと目されるであろう、様々な肩書きと学歴を持つ私。
それなのに女性であるが故に、それを認めて貰えなかった。
“1人で生きていけるよ”
“オトコに生まれたらな”
こう言われ続けていれば、誰だって卑屈になると思う。
そんなに女性が上を目指して、ひたすら頑張ることはいけないの?
あのオトコ社会に身を置いたせいか、余計に捻くれたんだと思うこの頃だ…。