星に願いを。
『蜜葉ちゃんが好きになる人だもん。その人、女の人に慣れてるような人じゃないんでしょ?』
「…うん。違う」
泰ちゃんはそんな…、遊ぶような人じゃないもん。
いっぱいモテるけど、そんな人じゃない。
『だったらその人、きっと無理してるんだよ』
「え?」
あたしはクッションを握る力を緩めた。
『自分が年上だからって、余裕な態度でいなきゃって、無理してるんじゃないかなぁ、その人』
……そう、なのかな。
泰ちゃんも、不安でいっぱいだったりするのかな。
あたしみたいに、悩んだりするのかな。
だったら…ちょっと、嬉しいな。
「晴美ちゃん、ありがと…」
そう言った瞬間、ガチャリと開いた部屋のドア。
お母さん達かと思えば、そこにいたのは
「ガールズトーク中悪いんだけど…。蜜葉ちょっといい?」
今、会いたいと思った人だった。