【BL】愛のカタチ


エレベーターを降り、今までおちゃらけていた顔が、急に神妙になる。

「なんで、って言われても……」

真面目な表情になった翔に、俺は軽く怖じる。
だから、自然に俺の言葉は小さくなった。

「東和のレベルは全国でもトップクラスだ。そこの編入試験で満点。別にここに来る必要はなかったはず」
なのに、どうして…ここを選んだんだ?と、迫力のある言葉。

翔には言った方がいいのかな…
俺の、出生の秘密を。

「分かった…。翔には話すよ。俺は…フリ…

「生き別れのお兄さんに会いに来てるんだよ。佐伯君は」

遮られた言葉に、声のした方を振り向く。

「理事長!!?」

翔の言葉に助け船を出してくれたのは理事長だと気付いた。
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