狂愛~狂うほどに君を~
抱き着いてくるリアムの頭をそっと撫でるゆず。
ああ、やっぱり知っている感触だ。懐かしい。
『突然現れてごめんね?だけど僕・・・ゆずを守りたいんだ!』
リアムがゆずを見上げそう訴える。
何から守るというのだろうか。
『私は一体・・』
自分が何者なのか、ゆずは分からない。
そのことが恐怖となって身に迫る。
明らかに人間ではない千と泉。
そして目の前のリアム。
だけど自分は人間だ。人間・・・のはずだ。
だけど千も泉もリアムも人間ではないのに、人間の自分を守ろうとしてくれているらしい。
一体、何から?
一体何を?
頭の中を縦横無尽に駆け抜けるその疑問にくらっとしてしまう。