狂愛~狂うほどに君を~
ポワっと青い光が一瞬大きくなり、その光から現れたのは小さな男の子。
獣の耳とフサフサの尾をもち、髪と瞳の色は透き通りそうな青。
『ゆずっ!』
『え!?』
男の子に抱き着かれて、飛び起きた。
夢の中の出来事だと思っていた。
それなのに、ゆずはベッドの上にいてゆずのお腹に男の子が抱き着いている。
『現実・・?』
『えへへ!ルーカスが無理矢理リリィと引き離すから探すのに苦労したんだっ!でも会えてよかったぁ~!あ、今はゆずだったよね♪』
ゆずに抱き着く男の子が息つく間もなく言葉を発する。
ルーカス・・?
リリィ?
『あなたは・・誰?』
分からない、分からないけどなんとなく懐かしい。
そして目の前の男の子は特別だと、体が感じている。
『僕の事、忘れちゃったの?僕は・・・リアムだよ。リアム・・』
リアムの耳と尻尾が垂れてしまう。
ああ、傷つけてしまったわとゆずの気持ちも申し訳なさでしょぼくれる。
『ご、ごめんね?でもあたなは・・・リアムは私にとってとても大切な人だってことは体が覚えてるみたい』