企画小説

バタバタバタバタ!


「まったく、嫁に行くというのに落ち着きのない娘だ」

「いいのっ!きゃーー!!淡岩、車車っ早く」

「もう用意出来てますよ」

「マジで?!じゃあいってきまーす」

「父さんたちも、もう少ししたら行くからなー」

「はいはいはーいっ」


慌ただしく出て行く「浬津」。

今日は、とてもとても大切な日。


あの、東苑堂寺家に引き取られて行く日に約束した“許婚”という不安定な約束がやっと、ホンモノになる日。



浬津は、結婚する。
相手は勿論―――




「麻津裏!!」

「浬津っ!遅い!花嫁は、式場に4時間前には入ってなきゃいけないの知ってるだろ?!」
(↑本当です)

「知ってる!ごめんて!!」

「お嫁様、さぁこちらへ!」



――なぁんて、かなりせわしなく準備して、



「…汝、優喜麻津裏は妻、東苑堂寺浬津を愛することを誓いますか?」

「誓います」

「では、汝、東苑堂寺浬津は夫、優喜麻津裏を愛することを誓いますか?」

「誓います!」




麻津名のときに、初めて麻津裏に恋をして、恋人になって

浬津になってから、ずっと喧嘩してデートして…

今日、恋人から夫婦になり、
東苑堂寺からまた、優喜になる。




…これが、私の初恋だったんだ。



「結婚初夜は覚悟しとけよ?浬津」

「えぇっ?!///」









・おしまい・

(次頁後書き→)
< 17 / 49 >

この作品をシェア

pagetop