企画小説
「クールな恋人には、恋の媚薬が1番効くんですよ」
「!?」
道を歩いてていきなり、魔術師みたいな黒いマントっぽいの被った人に話し掛けられた。
「なっ…ななな?!なんですかっ!!いっ……いきなり」
「もうすぐバレンタインですよ。恋人にチョコはあげないんですか?」
「もうそんな季節だったっけ」
「はい。私の店では、媚薬などの薬を扱っています。どうです?今なら100円で売りますよ」
「マジ?!買う買う!!」
チャリーン。
……というわけで、奇しい人から「媚薬」を買った松岸玲奈。
「彼氏」がいるバレンタインなんて初めてで、すっかりそんなことは忘れていた。
てくてく歩いてるうちに、ある疑問が浮かんだ。
――――――
―――――――…
「媚薬ってなに?」
「は!?」
只今、彼氏の雄作と茶店でのんびりデート中。
だけど、私の質問にお茶を少し、吹き出した。(雄作が)
「玲奈?なんでそんなこと聞く?」
口元をふきながら、雄作が聞いてきた。
「いや、こないだね、道歩いてたらさ“クールな恋人には恋の媚薬が1番ですよ”って、100円で売ってもらったから」
「買ったのかよ」
「うん!…だからさ、雄作飲んで!!」
「断る!!!」
頼んだら、間髪いれずバッサリ断られた。
「まさか、お前、飲んでないだろうな…?」
「飲んでないよ、さっき雄作のお茶に入れたけど」
ブッ!と、また雄作がお茶を小さく吹き出した。
「何時?!」
「雄作がトイレ行った時」
「マジかよ…」
雄作が頭を抱え込む。