企画小説
「だって、薬でしょう?何に効くのか知らないけど、薬なんだから人体に害は……っ?」
言葉を遮られて、ここが店内だというのにキスしてきた雄作に驚いて反応も抵抗も出来なかった。
なにより、雄作は人前では絶対キスとかしないから。
すごくびっくりした。
……キスって言っても、ほんの数秒触れ合うだけのキスだったけどさ。
「……はっ、玲奈。出るぞ」
「え?なんで??」
「もームリ。ほらさっさと用意して立て」
「えぇぇええ??」
雄作がいきなり帰るなんて言い出して、私は訳わかんないのに雄作さっさと行っちゃうし…
てか、雄作の顔が赤い。
熱あるのかな?
…まさか、媚薬って発熱効果剤?!
会計を済ませて、さっさと出て行こうとする雄作の背中を追いかける。
「雄作!」
「…はっ、どう、した……?」
「だっ、大丈夫っ?!」