企画小説
「アンタ天美津の生徒だろ?!つーことは、卒業生なら吉岡!吉岡友紀か!!ゲイ!」
俺は満足に鼻高だかにしていた。
彼女を見ると心底驚いた顔をしていた。
「え…知ってるの?」
「ああ!有名だからな!」
「……そうなんだ」
…あれ?違う。
何でこの子が俺を知ってるかが重要だよな。
「んーと、お客さん…何で俺のこと知ってるの?」
「え?あぁ…いつも見てましたから」
「は?」
彼女が言うには、よく天美津の近くで俺を見ていたらしい。
(まぁ、帰り道だしな)
で、いつも同じ時間に帰る俺を眺めてたら、友達が俺のことを教えたらしい……つーか、
「友達って、誰だ」
「青井桜ちゃん」
「!!さーくーらー…」
(※青井桜は、奈緒香の漫画の作品:猫神様に出てきます。リア友は知ってるかも)
「ごめんね、勝手に聞いちゃって」
「いや、構わないけどさーくーらー…」
「あははっ、面白いね。凜擾くん」
―――どきっ。
いやいやいや、ちょいまて。
なんだ、どきって。
なんだよーっ!!
一人悶々としてると、不思議がられた。
「……ま、潔く振られてきましょうかね」
「おっ、やる気出た??」
「はい!凜擾くん見てたら元気貰いました!!」
「そっか!…報告よろしくなっ」
「はい!!」
向けられた笑顔はとても可愛くて、清々しく…
だけど、
――何処か悲しげだった。