企画小説
「まだ一枚のみなので、よく解りませんが、ポジティブに考えるなら友達関係が“終わって”恋人関係になれる…と、取れます」
俺は、彼女に精一杯のフォローをした。
「……いいんです、ムリしなくて」
「え?」
「どうせ叶わない恋なんです」
「そんな…!言ってみなければ……」
「分かってたんです!!彼、ゲイなんですもん!」
「、は?」
ちょっ……
ちょっと待てよーっ!!!(汗
ゲイ?!ゲイって言ったよな今!
そんな男がいいのか!アンタ!!男同士で……オェッ。
気分、悪くなってきたし…
「…大丈夫ですか?」
「大丈夫なワケあるか」
「え?…言葉遣いが……」
「あ?え?……あっ!!」
まずっ!客に向かってタメ口利いてしまった!
オーナーで、指導してる側なのにぃ〜!
(最早、パニクり過ぎて修復不可能な状態↑)
「すっ、すいません!お客様相手にタメ口利くなど…
我が凜擾家末代までの恥!!」
「…え?凜擾?」
「ん?」
今の反応の仕方は、凜擾を知ってる感じだった。
俺は、テーブルに土下座のような形をとっていたが、チラリと彼女を見る。
…見たことないな。
「凜擾…翡翠くん?!もしかして!」
「え?俺を知ってるの?」
あれ、おっかしいな。
なんでこの子、俺のこと知ってるんだろ。
見た記憶全く皆無に等しいくらい無いんだけどな。
あれ、でもこの制服って…
天美津の…?
ん?天美津の今年卒業するやつでゲイって言ったら…
「あーーーっ!!!」
「!?なにっ」
「おっもいだしたぁっ!」
俺は、仕事場にも関わらず大声を上げた。