うちの所長知りませんか?
突然ですが、僕は推研の方々に逆らわずによかったと思いました。

なぜですって?

いやあのね、バキバキドカドカみたいなことが起こったんだ。

「うあー、アザがひぃふぅみぃの、うあー、捻挫がひぃふぅみぃよぉの、うあー……」

「真美ちゃん言わなくっていいよ、僕は目を伏せたい、いこう、大恩寺さんはここにいる」

「ですっちゃね」

足元に転がった男子と、それを踏んづけている白鳥さん達は、置いていこう。

ドアの上には、いかにも廃材らしい木の板に、『推理小説研究会』とあった。

ドアを開けると、暗幕が待っていた。邪魔だからそれをどかす。

すると、狭い四畳一間、ひとりの男子が座っていた。

その背後に二人、やっぱりぺったりした黒髪の男子が二人。

ぼそぼそと真美ちゃんが耳打ち。

「ちなみにあの後ろの二人と入り口でバキバキドカドカされた人は三つ子ですっちゃ」

「三つ子までいるのかこの高校!?」

置いといて、僕は、部屋の中央で椅子に座っている、明らかに僕らを待ち構えていた風な男子に訊いた。

「ここに、大恩寺めもりさんがいますね?」
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