うちの所長知りませんか?
が、くり、と代表さんの膝が折れた。がしゃんと音を立てて、彼はパイプ椅子に落ちる。

「っ……大恩寺め……」

と、彼が呟いたのは、恨み言だった。

「そうだよ……僕らが大恩寺を監禁した。お前の言う通りだとも……」

開き直った風な彼は、思いきり舌打ちをした。

「ちっ……! 僕はアイツに、心理戦を持ち込まれたってわけか……推理を裏付ける前に、こちらの動機を言ったりしたのもそのためか?」

「はい。今の決め手は、アナタが冷静なままでは通じないので。少しずつ苛立たせるつもりでした」

「っ……占い研なんかに、まさか、僕が……」

真っ白になったボクサーのように項垂れる彼の肩を、僕は叩く。

「それで、大恩寺さんはどこですか?」

「……」

「答えてください」

「……さあね」

「なっ、ここまで来て、シラを切るんですか!?」

開き直るにもほどがあると怒鳴りたい僕に、彼は肩をヒョイヒョイすくめる。

「ふっ、それだけ推理できたんだ、彼の居場所も推理してごらんよ? 占い研の代表さん。どのみちこうなったら僕らは潰れるんだ、せめて悪あがきをするよ! ははははっ!」

「っ……」

コイツっ、嫌いっ!!
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