うちの所長知りませんか?
彼は立ち上がり、こちらを指差してくる。

「ふざけるなっ!! そんな子供だましなこじつけっ、なにが推理だっ! うちをおとしめるのも大概にしてくれ!!」

その、だいぶ冷静さを失った今が、チャンスだ!!

「僕はふざけてませんっ! 真面目に考えて言ってるんです!!」

「そんな幼稚な推理があるかっ!! 君はっ、もしもこれでうちに大恩寺がいなかったら、責任を取れるんだろうな!?」

「とれます!!」

そして宣言する。

「世界最高の探偵、ホームズの名にかけても!!」

「ふっっっ!!」

瞬間――

ブチン、という音が聞こえた――

「っっざけるな!!」

気がした。

「ホームズが世界最高!? ふざけるなよっ、いい加減なことばっか言ってるくせに! 世界最高の探偵は、明智に決まって」

「明智!! 今、そう言いましたね!!」

彼の機先を封じ、僕も立ち上がった。

そう、大恩寺さんは体育の時に、メッセージを残していたじゃないか。

「『明智よりホームズ』!! これは大恩寺さんが体育教師に訴えていたことです! つまり、敵対者である推理小説研究会、代表であるアナタへの宣戦布告!! 今アナタは、自ら大恩寺さんは敵だと認めたんです!!」
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