うちの所長知りませんか?
ぴっ、と大恩寺さんは人差し指を立てた。ちっ、ちっ、ちっ、と横振り。

「悪いけどね、僕は生徒会長なんだ、仕事をさせてもらうなら、備品を壊したこと、それから、視察があるという今日、満足な活動をしているように見えない。これは、視察官として今後の部費を検討しないといけないよね?」

「! 脅すつもりですかっ……、生徒会長が!?」

「やだなぁ、これは取り引きだよ〝女帝〟。僕はね、なにも君にただこっちに来いなんて言ってない。もしも君が推研に入ってくれたら、こちらからは白鳥らりるを出すよ」

それは、つまり……

「君がこちらにくれば人数が五人、晴れて部になる。たしか占い研も今は四人だったね。白鳥を入れたら五人。ほら、部に昇格だ」

「……」

「損得勘定でいこう。今回、君は僕を探すのに努力した。そのご褒美とも考えればいい。君が来れば、こっちもそっちもハッピー。来なければ、占い研だけがアンハッピー。あ、推理小説研究会もか。さ、ハッピーがアンハッピーか、どちらを選ぶんだい?」
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