残響*Impression
「トランペットかぁ…懐かしい、小学校以来だよ。いい音色だね」


―――モヤモヤとした気分を消し去りたくて、高台でトランペットを取り出し、大好きな曲を吹いた。


一曲、二曲と吹いていくうちに、心が晴れて行った。


……そんな時、ひょっこり後ろから現れたのは貴方だったね。


「き、聞こえてた…?」


「うん、かなり大きくね」


固まるアタシにクスクスと笑って、話しかけてきた貴方。


これが、最初の出会い。


「気持ち良いだろうな、こんな晴れてる日に外でトランペット。…ねぇ、嫌じゃなかったら、貸してくれない?」


「うん…」


ラフな格好をしていても、カッコよく見えた貴方にドキドキしながらトランペットを突き出した。



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