夢のつづき。
母親は奈津子の様子を見てすべてを察したらしく「お庭にお墓を作ってあげましょうか。」と言って優しく奈津子の頭をなでてくれた。


奈津子は母親の言葉でインコの死を再び実感し、より一層大声で泣いた。


母親は奈津子が泣きやむまで奈津子のそばで何も言わずにいてくれた。


ひとしきり奈津子が泣いた後、母親の言う通りに奈津子はインコのお墓を作ることにした。


庭の隅。


暑い夏に黄色の大きな花を咲かせているひまわりの根元に奈津子は穴を掘り始めた。


本当に暑い日だった。


たいして大きくもない穴をスコップで掘るだけでも大粒の汗が奈津子の頬をつたって落ちた。


もしかしたら、それは気付かずに流れた涙だったのかもしれない。


奈津子には頬をつたうのが汗でも涙でも、どっちでもよかった。


インコとの事を想い出しながら穴を掘った。


初めてインコが奈津子の家に来た日に奈津子は心の底から喜んだ。


一人っ子の奈津子はずっと可愛いペットが欲しかったが、大の動物嫌いの父親が奈津子にペットを飼うことを許さなかったのだ。


しかし、小学校3年生に進級する間際に「自分で世話をするなら」という条件でインコを飼う事を父親が提案してきた。


どうやら父親はテレビ番組で「一人っ子はわがままに育ちやすい」といった特集を見たらしく、その中の「一人っ子はペットの世話をさせるとよい」といった類の提案を間に受けて奈津子にペットを飼わせてくれる気になったらしいのだ。


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