夢のつづき。
動物嫌いの父親が「猫や犬は家の中を歩き回るからダメだ。鳥なら鳥かごから外へは出ないからインコにしろ。」と言い、奈津子の意見を聞くこともなくインコを飼う事だけを決めてペットショップに父親と向かった。


初めて入るペットショップは見るもの全てが新鮮だった。


可愛い猫や犬、見たこともない小さな猿、ちょっと怖いカメレオンやカエルといった爬虫類。


父親をそっちのけで奈津子はペットショップの店内を見て回った。


しばらくは楽しげな娘に付き合っていた父親も、10分もすると飽きて「奈津子、インコはこっちだぞ。」と奈津子をインココーナーに引っ張った。


そこにはジュウシマツやセキセイインコといった小さな鳥から、オウムのような少し大きな鳥まで並んでいた。


奈津子は生まれたばかりのインコのコーナーに行き、その中で一番元気の良かったインコを選んだ。


会計を済ませて厚紙でできた小さな箱にインコが入れられて奈津子に手渡された。


空気穴から小さなくちばしを出すインコが奈津子にはとても愛おしく思えた。


それは小さくても命だった。


奈津子は手の中の小さな箱でかさかさと動き回る小さな命を一生懸命守ろうと思った。


家に帰り箱から出して鳥かごに移すと最初は怯えた様子だったインコがしだいにエサを食べ始めた。


その可愛い様子を奈津子は飽きることなくいつまでも眺めていた。


< 12 / 19 >

この作品をシェア

pagetop