いとしいひと


ドキドキする。


何度も小さく深呼吸するけど…




もうすぐ…逢えるんだ。



あれ?
待っててって…


橋口さんもあたしに用事があるのかな…?




カランカラン


「朱…里ちゃん…っ!?」


「コラ!直志っ!!
乱暴に開けないの!

それに朱里ちゃんはちゃんといるから(笑)」


橋口さん…?


あまりの慌てように、あたしは驚くばかりで。


「橋口さん…?」


すごい汗だ。


いったいどうしたの…?



「朱里ちゃん!!」


「は、はいっ!?」


な…に??


「ひ…さしぶり…?」


「あ…はい」

…………?


「ぶぶっ、くくく」


おばさんと他のスタッフさん達は、はなぜか爆笑してるし。


「お前らうるせぇ!」


…何よぅ。


あたしだけ知らないみたい。


「直志、頑張れ!」


応援されてるし。


「あーもう。
朱里ちゃん、行くよ!!」


「えっ!?」


あたしは橋口さんに引っ張られた。







< 75 / 86 >

この作品をシェア

pagetop