恋するOL!戦うOL!

ありもしない幻想は捨てよう。

まだ・・・とか、

もしかしたら・・・とか、

本当は・・・とか・・・

自分に都合よく考えるのは・・・終わりにしよう。


涙も出ない。

当然だった。



「早かったのね。」


薫子先輩が資料を受け取りながら言った。


「一也と書庫で偶然会いました。」

「そう。何か話したの?」

「いえ。今さらですから。」

「簡単に諦めるの?まずは、一也を春花さんから引き離さないと一也が彼女から逃れられなくなるわよ。」

「一也はそれを望んでいるんでしょうか?」

「私の考えでは、一也は春花さんの嫌がらせを止めるために彼女と付き合いだしたとしか思えないのよね。」


私も少し・・・それは思ったけど・・・

でも、それは自分にとって都合のよい解釈じゃないかって・・・

望みを持っちゃダメな気がして・・・


「それに・・・」


ふと、薫子先輩がそこで話すのを止めた。

急に考え込んで・・・


「一也が何か隠してる気がするのよね。

春花さんに・・・今でも何か・・・

そうね、弱みみたいな?」


「弱みって何ですか?」

「分からないけど・・・

それが一也を縛ってるとしか思えない。」



何だろう?




それは数日後に明らかになった―――


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