Happy garden.【短編】
ドアを開けて、わたしを先に促すので、「おじゃまします」と言うと、中を観察しながら上がりこんだ。
入ってすぐ、右側にキッチンがある。
まな板の上にはカップ麺の空カップやコンビニ弁当の入れ物。
彼の食生活がうかがえた。
左側にはドア。
正面には横開きの扉。
左にあったドアの向こう側には、仕切りなしで部屋が広がっている。
ということは、さっきのドアと横開きの扉はトイレと浴室ってところだろうか。
奥の部屋に入ってすぐのところには白いローテーブルがあったので、そこにお重を置いた。
この部屋はとても広く、たぶん二部屋分。
仕切りがなくて、ワンルームのような形の1LDKってところかな。
部屋の右奥にはベッドがあって、それを見た瞬間、サッと視線を逸らした。
なんとなく、気まずい。
部屋に入って正面奥には大きな窓があり、その向こうはベランダがありそうだ。