Happy garden.【短編】
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誠司さんの黒い車に乗って、5分ほどで、24時間営業のスーパーについた。
ショッピングセンターとは違い、食品と少しの日用品が置いているスーパーだ。
「何にしようかな」
入ってすぐの野菜売り場でつぶやく。
食の好みの知らない人に作るんだと思うと、迷ってしまう。
誠司さんに尋ねても、気をつかってか、なんでもいいと言われてしまい、なおさらだ。
ふと、正月料理に使う金時人参が目にはいり、昨日の誠司さんを思い出した。
おせちを食べながら寂しそうに笑ったあの顔だ。
彼が食べたがっていた『故郷の味』。
それを作ってみたい。
「ねえ、誠司さんの実家のお雑煮ってどういうものだったの?」
物珍しそうに野菜を見る彼の袖を引っ張り、見上げた。
「お雑煮? うちは白味噌やで。丸もちと大根、里芋、人参が入ってるねん」