Happy garden.【短編】
次に正月用の餅コーナーで餅を見る。
しかし、丸もちは見当たらなかった。
仕方なく、一番安い角餅を選んでカゴに入れた。
誠司さんはその角餅を手に取って、ため息をついた。
「味は変わらんやろうけど、なんか四角って嫌やなぁ。大阪ではあんまり四角の餅は雑煮やしるこに使えへんねん」
「でも、こっちでは丸い方が珍しいですからね。もっと大きなスーパーだったらあるとは思うんだけど」
この24時間スーパーは一通りの物を置いてはいるけど、ひとつひとつの種類が豊富なわけではなかった。
「大きいスーパーなぁ。わざわざそこまで行くのもあれやし……」
誠司さんは諦めると、餅をカゴに戻した。
その手を追いかけるようにカゴの中を見ると、彼の言ったものはそろっていた。
あとは――ダシよね。
乾物売り場で花かつおとダシ用の昆布を探した。
「ダシをちゃんととるねんな」