Happy garden.【短編】
こんなふうに思ってしまう自分に戸惑いながらも、キッチンに立って、おかわりを入れた。
椀を誠司さんに渡し、さっきと同じように床に座る。
雑煮を食べる誠司さんの姿を眺め、ずっと考えていた。
そして、思いきって言ってみる。
「あの、よかったら、平日は誠司さんの分もお弁当を作りましょうか?」
「え?」
「ほ、ほら、毎日買ってきた弁当やカップ麺じゃ体に悪いですし」
言い訳がましいと思いながらも、もっともらしいことを言う。
「そりゃあ、手作りのご飯を食べたいと思うけど、手間がかかるのに作ってもらうわけには……」
「それなら大丈夫ですよ。どうせ自分のお弁当を作ってますから、一人分も二人分も変わりません。
……というか、一人分は少なすぎて作りづらいんで、晩も同じものを食べないといけない羽目になったりするんです。
なので、食べていただけると嬉しいんですけど、ダメですか?」
「そういうものなのか」
そう言ったっきり、誠司さんは黙りこくってしまった。