恋の公倍数(受験生+塾講師)
2人きりの祝賀会



「待たせたな!」



この教室は、私が最初に体験として授業を受けた部屋だった。


ここでまーちゃんが言ってくれたんだね。


『俺を信じてついてきな』って。



「この教室が、初めてまーちゃんと会った場所だよ。覚えてる?」



「ああ、覚えてる。生意気なヤツだった」




まーちゃんは、たくさんのコロッケの入った紙袋を机の上に置いた。




「コロッケパーティー!!」



「まーちゃん、いちごは?」





まーちゃんは、忘れてた!と言いながら両手を顔の前で合わせた。




「今日はコロッケだけ。今度、いちごパーティーしよう」




今度?


今日が最後じゃないの?



今度があるの?




< 80 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop