キャンパス・ダイアリー
気付いたら校門にたどり着いていた。

橋本が手をパッと離した。



「警備員いるよ」



校門で一人、暇そうに立つ警備員。

入ってくる車を確認して時々敬礼している。



「今日はここまでな…。気をつけて帰れよ!」

「うん!先生、ありがとう!」



俺は橋本の背中が見えなくなるまで手を振り続けた。

橋本も時々振り返って手を振ってくれた。



「ばいばーい!」

「じゃあな!」



橋本が曲がり角の前で俺の方を振り返り、力いっぱい叫んだ。


橋本の姿は曲がり角へと消えて行き、俺は研究室に向かった。
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