キャンパス・ダイアリー
馬場とともにまた研究室に戻った。



「先生、俺が小川先輩に弟のこと相談するよ。俺…先生にやめてほしくない」

「馬場…」



俺…馬場に頼ってもいい?

情けない教授だよな…。

いざ覚悟は出来たとしても、辞めるとなったら今まで一緒にやって来た学生を見捨てるわけで…。


みんなと離れなきゃいけないと思うと淋しくなる…。



「今まで俺のお世話をしてくれたお礼だよ。もう卒業なのに何も恩返しできなくてさ…俺に任せて!」



馬場の温かい気持ちが俺の体に染み渡り、涙が溢れてきた。



「ありがとな、馬場…」
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