【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
響先輩の後に続いて生徒会室へと向かう。

ゆっくりと歩いてくれている響先輩の心遣いがとても嬉しい。

この人が亜希の好きだった人なんだ。

亜希はずっと響先輩のこと好きだったんだよね。

本当に…憧れみたいな存在だったけれど、亜希は響先輩に恋してた。
亜希が片想いをしている様子をずっと傍で見てて、いつか龍也先輩と響先輩と4人でダブルデートが出来たらいいねって言っていた。

いつか亜希の恋が実れば良いって願っていたのに…。
ウィーンへ留学を決めたのは、大切な夢を叶える為だってわかっているけれど、響先輩への想いが彼女の決断を鈍らせていた事もあたしは知っている。
亜希はその想いを振り切って夢へと踏み出した。

でも…知らなかった…。

響先輩も…亜希の事が好きだったなんて…。


どうしてもっと早く…留学を決める前に先輩の気持ちを知ることが出来なかったんだろう。
ふたりは想い合っていたのに…なんて切ないんだろう。

どうして恋って『好き』という気持ちだけではダメなのかな。

亜希と響先輩の切ない恋に比べたら、あたしのしていることって何て贅沢なんだろう。

あたしは龍也先輩が好きで…傍にいられれば、ただそれだけで幸せだったのに…。

あたしの想いは龍也先輩がちゃんと受け止めてくれていて、あんなに大事にされていたのに。

あたし、バカだね。



何を見失っていたんだろう。






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