【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
番外編 アッシュの独り言2
オレはアッシュ。

ビロードのような艶やかな毛並みと宝石より美しいブルーの瞳が自慢のかなりカッコいい黒猫だ。

この辺りじゃオレの事を知らない猫はいないし、はっきり言ってかなりモテル。

しかも腕っ節はかなりのもので、このあたりのオスはオレに絶対服従だ。

たまにオレに惚れたメス猫を争って、一方的に喧嘩を吹っかけてくる身のほど知らずなヤツがいるが、そう言うヤツは必ず次の日にはオレに忠誠を誓っているか、町を出て行くかのどちらかだ。

別に…メス猫なんて興味ないんだからさ、争う必要なんて無いのに、いきなり喧嘩を吹っかけてくるヤツが悪いんだよな。


…オレは誰だって良い訳じゃないんだ。

オレの傍にいるのは本当に好きな相手であって欲しいんだ。


ああ?猫のクセにって、今思っただろう?

バカにするなよ?猫だってサカリの時期だけが恋の季節ってヤツばかりじゃないんだ。

まぁ…ちょっと前までは、そんなもんだと思っていたけどさ。

サカリの季節になれば、身体はどう足掻いても本能に従いたくなってしまう。

オレはモテルから選り取り見取りだ。どんなメス猫だって、オレが望めすぐに擦り寄ってくるだろう。

でも今欲しいのはそんなんじゃない。

欲しいのは、オレが心から求める『本物の恋』ってヤツだ。


< 375 / 383 >

この作品をシェア

pagetop