【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
「受けたくないんです」

「何でだよ?」

「担任と相性が悪いんです。
あたし、目の敵にされていて」

「担任って、竹中か?あいつは癖があるからな。
でも、逃げてたら益々目をつけられるぞ。
あいつは弱いものイジメが趣味なんだ。
弱いトコ見せたら負けだぞ」

「でも、竹中先生って数学の先生じゃないですか。
ダメなんです。あたし、数字を見ると吐き気がしてきて」

「……吐き気…ね。最初から拒否反応かよ。
努力しようとか思わねえ?」

「だって、解らないんですもん。
先生に質問に行った事もあったけど、先生の説明がわからないんです。
あたし、頭悪いのかな?」

諦めたように溜息を吐くあたしに
先輩は「そんなことないんじゃないか?」と言った。

「お前さ、えと…聖良だっけ?
聖良は竹中の授業が嫌なんだろ?
この高校はレベル高いんだぞ。
受験に受かったって事は中学までの数学は大丈夫だったんだろ?」

たしかに、中学までは特に嫌いではなかった。
それなりに解っていたし、特別授業についていけないことも無かった。

先輩はコクンと頷くあたしを見て
「そうだろ?」と笑った。

あれ?
優しい笑顔だ。

この顔、あたし好きかも…。

「俺が教えてやるよ。
毎日補習授業が終わったら生徒会室へ来いよ。
生徒会の仕事を手伝ったら毎日少しずつ教えてやる。
2学期が始まったら、竹中のヤツびっくりするぜ?見返してやれよ」

なんだ、先輩そんなに怖い人じゃないんだ。

けっこう優しいじゃない。


そう思っていたのは束の間だった。


あたしは先輩との約束を


次の日、呪うことになった。





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