【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
はあ~~~っ。

大きな溜息を吐くあたし。

龍也先輩はそんなあたしをジロリと睨むと

「さぼるんじゃねえよ」

と激を飛ばす。

もう、3時間以上休み無しで先輩の言う仕事をこなしている。

書類の整理から始まって、計算だのパソコンの入力だの…。

確かに手が不自由だとこんな仕事は出来ないだろうけど…。

もう1週間、毎日龍也先輩の手伝いをしているあたし。

先輩はとりあえず1週間様子を見るって言ったけど
手にはまだ、包帯が巻かれたままだ。

そんなに酷かったのかな?

日が経つにつれ、段々と申し訳ない気持ちが膨らんできて
何かにつけて謝ってばかりだ。

先輩は慣れない生徒会の激務でグッタリしているあたしに、無理矢理数学の問題を解かせるのが好きみたい。

もう地獄だよ。

今日もほら、参考書見て楽しそうに問題を選んでいる。

先輩が選んだ問題を全部解けたらご褒美をくれるとか言ってるけど
絶対に全問正解するはず無いって解っているから言ってるんだと思うわ。

横目で楽しそうに問題を選ぶ龍也先輩を伺いながら
ゲンナリした気持ちでこの後待ち受けているであろう恐怖の時間に思考を飛ばす。

うう~っ。

ぜったいギャフンって言わせて、ご褒美貰ってやるんだから。

あたしはご褒美に何をせしめてやろうかと、あれこれ考えを巡らせながら、パソコンに向かってデーターを打ち込んでいった。


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