【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
『もう、おしまいにしましょう。』
信じたくない言葉。
触れた唇がほんのわずかに離れたその一瞬に静かに呟くように聖良の口から漏れた言葉。
言葉の意味を理解するのを脳が感情が拒否をしているのを感じる。
どうして―――
おまえは俺を好きだって言ってくれたじゃないか
「せ…いら…?何言ってるんだよ。冗談だろ。」
声が震えているのがわかる。
「あたし…自分が許せない。いくら無理やりだったからって先輩以外の人とキスをするなんて。先輩…ごめんなさい。
あたし、いつも無防備だって先輩に叱られてていたのにこんな事になってしまって…。」
やっと止まった涙が再び聖良の頬を濡らす。
痛々しい姿に愛しさがこみ上げると同時に聖良を誰にも渡したくないと言う強い気持ちが湧き上がってくる。
「別れるって言うのか?」
「……こんなあたしが先輩の傍にいていい筈がないんです。
みんなちゃんと分かっているんですよ。だからあたしを呼び出したりするんです。
あたしが先輩に相応しい女の子なら、誰もが祝福してくれるはずですよね。」
背中を嫌な汗が流れていくのがわかる
聖良が俺から離れていこうとしているのか
そんな事許せる訳無いじゃないか
「何をバカなこと言ってるんだよ。俺に相応しいかどうかなんて俺が決める事だ。」
「あたし、先輩に迷惑ばかりかけている。」
「そんな事ない。むしろ俺は聖良がいないとダメになる。」
「クス…そんな事ないですよ。先輩には金森先輩みたいな綺麗な人がお似合いなんですよ。」
聖良が俺の腕の中からスルリと抜け出した。温もりが失われ急激に不安になる。
おまえだけは何があっても失いたくないんだよ聖良。
何でわからないんだ?