【長編】Sweet Dentist
明日になればまた、千茉莉の笑顔に会える。

口の悪い駄目天使でもやっぱりあいつは俺の天使なんだ。

千茉莉の事を思うとき、いつも白い羽が舞うイメージがついてくる。

あの羽は俺にだけ見えるものなんだろうか。

他の誰かにも見えているんだろうか。



なんだろう、この気持ちは…。



他の誰かにもあの羽が見えたら…

そう思うと胸の奥から不快感が湧き上がってきて…

イライラと落ち着かなくなってくる。


千茉莉の顔が見たい…


頬の腫れは引いただろうが、自分で確かめて安心したいんだ。


千茉莉は笑っているか怒っているかしているのが似合う。


まるで…亜希みたいだな。


真っ直ぐに夢を見つめて追いかける姿も、何をするにも一生懸命な所も、いつだって怒っているか笑っている所も…。

亜希と最後に会った日に出会った千茉莉。


俺は…


千茉莉を亜希に重ねて見ているんだろうか



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