初恋~俺が幸せにしてみせる~
俺が愛して
プロポーズをして
金を出してやったのは
全部無駄だったんだ

全て…

何もかも…

最初から騙されていた

俺に愛はなかった

俺の為に流した涙も
偽りだったんだ

裏切りにもほどがある

情けなさすぎる

刑事が言ってた

一緒に居た男は
ヤクザの一味だったって

ヤクザの女だったんだな

俺はとんでもない女に
手をつけてしまっていた

麻美が俺に本気じゃ
なくて良かったって
事なんだよな

自分を納得させる為に
色々考えていた

だけど最終的に
騙されていた事には
変わりはないんだ

自分の行く先を
考えてみた

仕事は何日か
休むと言っていたけど
もう疲れた

都会の藻屑の中に
埋もれている自分に
嫌気がさしていた

もう若くはない

親も年だし

地元に帰ろう

今しかチャンスは
ないかもしれない

ここに居ても
自分の地位は
確立出来ないかも
しれないんだ

それなら思い切って

今居る場所に
未練なんてない

麻美の事で頭が
いっぱいになっていたが自分の為に生きていく
人生を考えなければ
いけないんだ
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