初恋~俺が幸せにしてみせる~
『彼が何度も何度も
うちに通ってくれて
両親を説得してくれて
ようやく両親が折れて
納得してくれたんだ』

『いい彼じゃないか』

『うん!それで、実は
プロポーズされたんだ』

美晴は少し顔を赤らめて俯きながら呟いた

『マジかよ?最初から
それを言いに俺を
呼んだんだろ?』

美晴は恥ずかしそうに
頷いていた

『良かったじゃないか』

『諦めなくて、本当に
良かったと思ってる。
大介のおかげだよ。
ちゃんと自分を素直に
させてくれたのは
大介だったから』

『それは俺も同じ。
俺も彼女と一緒に
なれるように頑張るよ。美晴に負けないように』

美晴は笑っていた

不思議な関係だなって
改めて思っていた

一度とはいえ、ベッドで抱き合って一夜を共に
過ごして、結婚も考えた相手だった美晴が
今は別の人と結婚して
幸せになろうとしている

俺も別の人を幸せに
しようとしている

でも美晴と出会って
抱き合ったからこそ
お互い大事な事に
気付く事が出来たんだ

それからまた色んな
話をして俺たちは別れた

美晴は幸せそうな顔で
タクシーに乗って帰った

そして俺もまた美晴の
幸せに喜びを感じていた
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